少しばかりネット住民を騒がせたこの記事。

【悲報】佐賀の高校生Windowsタブ強制購入の件、なんと「ARROWS Tab」(74,000円)に決定し批判殺到wwwwwww(IT速報)

ぼくには佐賀に住んでいる来年高校生になる娘がいるので、他人事ではありません。

最初は「富士通のタブレットで74,000円を買わされるのか?」「これだから役人は・・」と思ったのですが、丁寧に調べてみるうちに「佐賀県いい仕事してるんじゃないの?」って思えてきました。

ちゃんと調べて言いたいこと言おうよってことで。

新しいことに挑戦できる佐賀県

ぼくの故郷でもある佐賀って田舎だと馬鹿にされますけど、インターネット上をはじめ結構楽しいことやっているんですよ。佐賀県による「恋するフォーチュンクッキー 佐賀県庁 Ver.」が、AKB48の公式YOUTUBEで公開されて話題になっていましたね。

制作費50万円でこれだけPRできるのですから、賢くインターネットやお金を使っていると思います。ん百万かけてPR用のプロモーション作っても無駄に終わっている自治体なんてたくさんありますから。

「ARROWS Tab Q584/H」は良い判断だといえるか

当然、Apple製品を採用しようという意見は県教委のなかでも出たに違いありません。実は佐賀県では数年前からすでにiPadを使った授業を行ったりして検証していました。

その結果、学校にすでにあるWindowsパソコンと連携させたり、WordやExcelなどOfficeで作られた教材を活用できるWindowsが採用されたと思われます。また現実的に日本ではWindowsのシェアが圧倒的に高いので、社会に出てから使える教育という点でWindowsのほうが選ばれたのではないでしょうか。

さて、この「ARROWS Tab Q584/H」っていうデバイス。富士通のサイトや佐賀県のサイトをのぞいたりして調べてみたらびっくり。防水/防塵、指紋センサーだし、ディスプレイは綺麗、薄いし軽い。OSはれっきとしたWIndows8。

しかも、この導入が決まった「ARROWS Tab Q584/H 佐賀県学習用パソコン特別モデル」ってめちゃくちゃ良いです!

機  種

(1)メーカー  富士通株式会社

(2)型  番  ARROWS Tab Q584/H 佐賀県学習用パソコン特別モデル

(3)スペック

OS Windows8 Pro
CPU インテルAtom Z3770プロセッサー(最大2.4ギガヘルツ)
ディスプレイ 10.1型ワイドLEDバックライト付
メインメモリ 4ギガバイト
記憶容量 64ギガバイト
重 さ 1.27キログラム(本体及びキーボード)
バッテリー駆動時間 15.5時間(本体のみ、フル充電の場合)
総合ソフト Microsoft Office Professional Plus 2013
辞書ソフト 新明解国語辞典(三省堂) 参考価格3,150円ウィズダム英和辞典(三省堂) 〃  3,570円

全訳読解古語辞典(三省堂)    〃   2,940円

※ 参考価格は、紙の辞書の価格

(4)保  証  適切な使用時において生じた不具合に対し3年間保証です。

但し、バッテリー、ペン等は1年間保証です。

(5)セキュリティ   ウイルス対策ソフト及び不適切なウェブサイトへのアクセスを制限するフィルタリングソフトを実装しています。

(6)価格(予定) 7万4千円(消費税抜き)

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まずは2560×1600の高精細を備えた10.1型ディスプレイ。それに着脱式スリムキーボード付き。

重さが1.27キログラムとなっていますが、これはキーボードとタブレットを合わせての総重量。タブレットだけの薄さ・重さだとわずか9.9mmで約640g。辞書を数冊かばんに入れるよりずっと軽い。これなら持ち運びしやすいので自宅でも学校でも両方使えます。

バッテリー駆動時間は約15.5時間。これも、充分。一日中使うってわけじゃないだろうから、一日3,4時間使用したとしても、単純に4日間くらいはもつ。1日や2日充電し忘れたとしてもなんとかなるレベル。

キーボード、タッチパネル、ペンが入力デバイスとして対応しているようです。これだけあればあらゆるケースでも困らないでしょう。これらに変わるデバイスが登場するのはまだまだ先になりそうですし。

そして、良い判断したなぁと思ったのが「防塵・防水」。動き盛りの高校生ならふざけていて飲み物をこぼしたり、食べ物を落としたりする可能性が高い。運動場や水道のそばに置きっぱなしにしてしまうケースもあるでしょう。社会人が使うより、ずっと厳しい環境に耐えなければならないので、安いタブレットなんて採用したらあっという間に壊れてしまいます。タフとはいえない『Surface Pro 2』を採用しなかったのは良い判断だといえます。

お特感てんこ盛りの「ARROWS Tab Q584/H 佐賀県学習用パソコン特別モデル」

OSは「Windows8 Pro」を採用。「Microsoft Office Professional Plus 2013(『Access』、『InfoPath』、『Lync』を含む上位エディション)」がインストール済み。さらに、新明解国語辞典(三省堂)、ウィズダム英和辞典(三省堂)、全訳読解古語辞典(三省堂)が辞書ソフトとしてインストールされていて、ウイルス対策ソフト及び不適切なウェブサイトへのアクセスを制限するフィルタリングソフトを実装。

タブレットだけでなく、普通に購入したら別料金になる脱着式キーボードが付いていますので、普通にノートパソコンとしても使えます。

富士通のネットショップで、このカスタマイズで試してみると価格は167,790円(Officeなし、標準保証の場合)。これにOffice Professional 2013と3年間保証をつけると、なんと250,740円。

暇な人はやってみて。
富士通 ARROWS Tab Q584/H 製品詳細

それが、7万4千円程度というお値段。で、そのうち家庭への負担は5万円。超過分は佐賀県が補助。これまで入学時に購入が必要だった紙の教材を購入する必要がなくなるので、さらに2万円ほどは浮くということ。

つまり保護者負担の実質価格は約3万円程度。激安だよね。ぼくが欲しい・・・。

ハイエンドPCだからこそ子供たちの可能性が広がる。

パソコンやタブレットを使った授業は数年前から(特にiPadの登場から)、多くの教育機関などで取り組まれています。

佐賀県で県立高校生にタブレットを持たせるという話を聞いて、懸念したのが流行にのっかってタブレットを高校生に持たせても意味がないということ。だって、今どき中学生でもほとんどの子がスマホを持っているでしょ。要するにタブレットはスマホの大きい版でしかなく、見やすくて使いやすいスマホというメリットしかないから。

授業でタブレットを使うにしても、紙やテレビ(ビデオ)などの代替にしかならない。それならわざわざ高校生に持たせる必要はありません。

必要なのは、「使う立場」よりも「なにかを生み出す力」だと思うんです。iPadなどのタブレットの場合どちらかというとアプリやWebサービスを「使う立場」に回らざるを得ない。

でも、ハイスペックのWindowsノートパソコンとしても利用できるこの「ARROWS Tab Q584/H 佐賀県学習用パソコン特別モデル」は、なにかを作り出すだけの機能と性能を持ち合わせています。

この21世紀になっても子供がパソコンを自由に使えるかなんて親にゆだねられているじゃないですか。パソコンなんて全く興味ない親だっている。そんな親の子が、プログラミングできるようになりたいと願ってもパソコンがない。親には興味がないんだから、高価だからといって積極的に購入しようとは思わない。

でも、佐賀県は高校生に高性能のパソコンを持たせることを決定しました。問題が皆無とはいえませんが、このことによって子供たちの可能性が広がったのは間違いないと思います。このことによって、プログラミングをやりたかった子、パソコンで絵を描きたかった子、作曲をしたかった子などが自分でそれらに取り組むことができるようになるはずです。

パソコンで何かをしたいということに興味がない子は、まずは授業などで触れる程度でも構わないと思います。子供たち同士の感染力は強いですから、そのうちにこんなこともできる、あんなこともできるよって影響を受けて関心を持てるようになるかもしれません。

子供の将来を考えるなら、パソコンは絶対に必要です。もっと早い時期から積極的にパソコンに接させても良いくらい。子供の吸収力と発想力は、おとなの想像を超えていますからね。

佐賀県のこの取り組みがどのように進んでいくのか、これからも注目していきたいと思います。

参考:佐賀県